プレイリスト:仕込みからUSBまで 1.4.0の新機能
rekordboxのプレイリスト1つを、仕込みからUSBまで3つのステップで仕上げます。HEADROOMで曲をTrue Peakの天井にそろえ、SORTで新しい順番を確かめてからKey、次にBPMの順に並べ、最後に使うプレーヤーに合わせてUSBへ書き出します。どのステップも「次へ」で飛ばせます。フォルダ全体やすべてのプレイリストをまとめて処理するときは、HEADROOM、SORT、USB EXPORTの各ページを使います。
rekordboxの画面では整っていても、USBでCDJに持ち出すと届かないものが3つあります。ゲイン、KeyとBPMの並び順、そして古いプレーヤーでも鳴るファイル形式です。Bake'n Deckはこの3つを、Macの上でファイルそのものに焼き込みます。ライブラリはrekordboxに残したままです。まずは5分の動画でご覧ください。
ターミナル派なら、無料のコマンドライン版baken(macOS / Windows / Linux)もあります。同じbaken-coreエンジンで動き、この先もずっと無料です。
brew install M-Igashi/tap/baken
すべてのツールをひとつのウィンドウに。ターミナルを開かないDJのために、そして画面があってこそ成り立つ作業のために作りました。プレイリスト単位の処理、書き込む前のプレビュー、場所を覚えているライブラリ。買い切りでサブスクなし、アカウントも通信もありません。macOS 14以降、AppleシリコンとIntelに対応。コマンドライン版はこれからもMITライセンスで無料です。
rekordboxのプレイリスト1つを、仕込みからUSBまで3つのステップで仕上げます。HEADROOMで曲をTrue Peakの天井にそろえ、SORTで新しい順番を確かめてからKey、次にBPMの順に並べ、最後に使うプレーヤーに合わせてUSBへ書き出します。どのステップも「次へ」で飛ばせます。フォルダ全体やすべてのプレイリストをまとめて処理するときは、HEADROOM、SORT、USB EXPORTの各ページを使います。
コレクションXMLのプレイリストを選んで、CDJ・XDJ用のUSBに直接書き出します。rekordboxで解析済みの曲には、rekordbox自身の波形・ビートグリッド・フレーズをそのまま載せます。ブースのプレーヤーを選ぶと、そのプレーヤーが再生できない曲を取扱説明書に照らして表示します。書き出し時のCDJ SafeのMP3変換、rekordboxで未解析の曲の解析データ生成、My Settingsのコピー、ファイルに埋め込まれた画像からのアートワーク、CDJ-3000X・XDJ-AZ・OPUS-QUAD・OMNIS-DUO向けのOneLibraryはオプションです(アートワークとOneLibraryはプレーヤーでは未検証)。事前チェックでUSBのフォーマット、スキップする曲とその理由、書き込む容量を表示し、容量が足りなければ書き込む前に止まります。2回目からは変わった分だけを書き込みます。このアプリで書き出したUSBは、CDJ-3000とCDJ-2000NXS2で再生できています。
rekordboxを開かずにプレイリストをCDJ用のUSBに書き出す方法では、仕組みと対応プレーヤー、rekordbox 7のライブラリ不整合の警告を解説しています。
macOS 27では、AppleのMusic Understandingが各曲をMacの中で、オフラインで解析します。PLAYLISTのステップでそのBPMとKeyをrekordboxの値と並べ、ミックスに関わる食い違いに印を付けます(倍・半分のテンポ、混ざらないKey)。何も書き換えません。USB EXPORTでは、各曲のエナジー(1〜10)とボーカル曲のVをE7VのようにUSB上のコメントかタイトルの先頭に入れられます。仕組みと計測値(英語)。
コレクションXMLと音楽フォルダの場所は、次に起動したときも覚えています。解析結果はファイルごとにキャッシュされ、大きなライブラリでも再解析は数秒です。XMLの書き出し、ソート、適用、USBへの書き出しという一連の流れが、構えて取りかかる作業から毎回のルーティンに変わります。
Sortは、1Aから12Bへ並んだ結果を何も書き込まないうちに表示します。HeadroomはLUFS、True Peak、ゲイン、処理方式を1曲ずつ表にまとめます。列での並べ替え、曲ごとの除外、試聴にも対応しています。
rekordboxがコレクションを書き出し直すとバナーが表示され、ワンクリックで並べ直せます。アプリ自身の書き込みでは表示されないので、バナーが出るのはrekordboxが新しく書き出したときだけです。
適用のたびに、日時入りのフォルダへバックアップを取ります。復元はワンクリックで、元のファイルをアトミックに戻します。途中で失敗するファイルがあっても止まらず、アプリを再起動したあとでも「フォルダから復元…」で戻せます。
rekordboxが重くなるmacOS側の原因を、DJの間で広く共有されてきたチェックリストから5つ拾いました。ダウンロードフォルダに置いた曲、ライブラリのドライブを索引するSpotlight、フルディスクアクセスの不足、ライブラリ配下のiCloud同期、そして隔離フラグとAppleDoubleファイルです。点検したうえで、サンドボックスで許される範囲は修正まで行います。5項目の内容と手作業での手順はリポジトリのドキュメントにまとめてあるので、アプリがなくても試せます。
通信機能は一切ありません。サンドボックスで動作し、許可したフォルダ以外には触れません。買い切りでサブスクなし、アカウントも広告もなし。LGPLのffmpegを同梱し、ライセンスはアプリ内で確認できます。画面はダークテーマで、日本語と英語に対応。macOS 14以降のAppleシリコンとIntelで動きます。
Auto Gainの値はrekordboxのライブラリにあり、rekordbox自身のデッキとミキサーでだけ使われます。USBを読むプレーヤーには伝わりません。Headroomは全曲のラウドネス(LUFS)とTrue Peakを実測し、それぞれのTrue Peakがひとつの天井にそろうよう、ゲインをファイルに書き込みます。天井の既定値は-0.5 dBTP(AES TD1008)です。静かな曲は上げ、大きすぎる曲は下げます。それ以外には何も手を加えません。
rekordboxのAuto GainがCDJに届かない理由では、数値がどこで途切れるのか、ゲインをファイルに焼き込むと何が変わるのかを、よくある質問とあわせて解説しています。
DJのラウドネスノーマライズ:LUFSの目標値か、True Peakの天井かでは、ファイルの中で音量をそろえる2つの方法と、それぞれが向くライブラリを比べています。
3.6でTrue Peakの解析が15倍速くなった仕組み(Zenn)では、ffmpeg loudnormのプロファイル結果と、それに代わるプロセス内のBS.1770-4パイプライン、両者の一致を確かめた数値を紹介しています。
Headroomがするのは1曲につき1回のゲイン変更だけです。リミッターも圧縮もEQもかけません。トランジェントもステレオ感もマスターのままで、動くのはレベルだけです。その幅もTrue Peakが許す範囲までに限られます。トリムを12時にしておけば、どの曲も0 dBを超えません。
MP3とAACは、フォーマット本来の1.5 dB刻みでゲイン情報を書き換えます。音声データには触れないので劣化はなく、下げるときも再エンコードしません。ファイルは元の場所で上書きされるため、ホットキュー、メモリーキュー、ビートグリッドとのリンクも保たれます。
Macのみ 1曲ごとのLUFS、True Peak、適用ゲイン、処理方式をレビュー表で確認できます。ライブラリの統計(LUFSの範囲と中央値、天井を超えている曲数)、曲ごとの除外、試聴、実行ごとのバックアップにも対応しています。
rekordboxで並べ替えられるのはKeyかBPMのどちらか一方だけで、「曲順をリナンバする」で保存できるのも1列分の並びです。CDJはプレイリストに保存された順番で再生します。Sortは書き出したcollection.xmlの中で、曲順そのものを書き換えます。Keyの1Aから12Bへ、同じKeyの中はBPMの低い順。プレイリスト名やフォルダ構成はそのままで、変わるのは順番だけです。並び順が表示ではなくプレイリスト自体に入るので、USBに書き出しても崩れません。
rekordboxで「ファイル」→「コレクションをxml形式でエクスポート」を選んで書き出し、Sortを実行します。KeyはAlphanumeric表記(1A〜12B)でもClassic表記(Am)でも並べ替えられます(CLIはbaken 4.2.0以降、Macアプリは1.2.0以降)。あとは環境設定の「詳細」→「Database」→「rekordbox xml」→「読み込み用ライブラリ」でそのXMLを一度指定しておけば、サイドバーのrekordbox xmlツリーに並べ替え済みのプレイリストが並びます。
Macのみ PLAYLISTのステップで、プレイリストの新しい並び順を書き込む前に確認できます。macOS 27では、macOSが解析したBPMとKeyもrekordboxの値と並べて表示します(仕組み)。SORTの画面はXMLの更新を検知するので、rekordboxで書き出し直したらワンクリックで並べ直せます。
rekordboxのプレイリストをKey + BPM順に並べる方法では、詳しい手順と並び順のルール、単一列ソートとの違いを、よくある質問とあわせて解説しています。
古いプレーヤーで確実に鳴るのはMP3だけです。ところがrekordboxは、FLACのプレイリストでも警告ひとつ出さずにUSBへ書き出してしまいます。CDJ Safeはプレイリストの全曲を320 kbps CBR、44.1 kHzのMP3(ID3v2.3タグ、アートワークも保持)に変換し、対応するプレイリストをコレクションXMLに追加します。変換後の曲は、元の曲のビートグリッドとホットキュー、メモリーキューをそのまま引き継ぎます。読み込んで右クリックし、USBに書き出すだけ。再解析もキューの打ち直しも要りません。
NXS2より前のCDJで安定して再生できるのはMP3だけです。しかもその問題が発覚するのはたいていブースの中で、ときにはセットの途中です。会場のデッキが新しいことを祈るより、CDJで確実に鳴るコピーを作り、予備のUSBとして持ち歩くほうが安心です。すでに320 kbps CBR、44.1 kHzの曲はバイト単位でそのままコピーするので、劣化は一切ありません。見つからないファイルがあっても処理を止めずにスキップし、一覧で知らせます。手元にある曲はすべて書き出されます。
Macのみ Macアプリでは1.4.0から、CDJ SafeはUSB Exportのオプションです。オンにするとすべての曲を320 kbps CBRのMP3にして、rekordboxの解析データごとUSBに書き込むので、読み込み直す手間がありません。書き出す前に、選んだプレーヤーが再生できない曲にも印を付けます。MP3をフォルダに書き出してrekordboxに読み込ませる以前のCDJ Safeの画面はなくなりました。
rekordboxを置き換えようとするツールは少なくありません。Bake'n Deckはそのひとつではありません。曲の解析、ビートグリッドとキューの設定、プレイリスト作り、ライブラリの管理はrekordboxの仕事です。Bake'n Deckが受け持つのは、CDJへ持ち出すときにrekordboxでは抜け落ちる数工程だけです。それもrekordbox自身が用意している出入り口を通して行います。
どのツールも、rekordboxが書き出すコレクションXMLを扱います。結果はrekordboxの「読み込み用ライブラリ」から戻します。Headroomはファイルを同じ場所で書き換えるので、キューとビートグリッドのリンクも切れません。ライブラリの移行も、書き戻しの同期もありません。
rekordboxのmaster.dbは、読むことも復号することも書き換えることもありません。使うのは、rekordboxがほかのソフトとのやり取りのために用意しているXMLの書き出しと読み込みだけです。
USBに載せる波形とフレーズはrekordbox自身の解析ファイルです。書き出し時にrekordboxが行うのと同じ書き換えだけを加え、あとはバイト単位でそのままコピーします。rekordboxが解析したものを推測で作り直すことはしません。解析データを生成するのは、rekordboxで解析していない曲について指定したときだけです。
USBのフォーマットは実際のrekordbox 7の書き出しから読み解き、バイト単位で照合しています。プレーヤーが再生できる形式は、Pioneer DJの取扱説明書だけを根拠にしてページまで示しています。まだ測っていないこと、プレーヤーで試していないことは、未検証と明記します。
Bake'n Deckで書き出したUSBは、DJの手でCDJ-3000、CDJ-2000NXS2、CDJ-2000NXS、XDJ-AZで再生されています。報告はGitHubで公開しています。OneLibraryのプレーヤーのうち、まだ誰も試していない機種向けの本番用USBは、rekordboxで書き出すよう案内しています。
Bake'n Deckは事実を示し、判断はDJに任せます。破損したファイルや、低いビットレートから変換したらしいファイルは黙って直さずに知らせます。Macアプリは書き込む前に結果を見せます。DJが決めるべきことを肩代わりする機能は、AIかどうかにかかわらず入れません。
音楽ライブラリを書き換え、本番用のUSBを書き出すツールは、依存するものまで含めて信頼できなければなりません。ビルドに加わるものは、まずリスクとして扱います。
Macアプリなら、インストールも設定も必要ありません。ffmpegも同梱しています。コマンドライン版にはffmpegが必要ですが、パッケージマネージャが一緒に入れてくれます。
Bake'n Deck for Mac。ターミナル不要のネイティブアプリで、ほかに入れるものはありません。価格はEP 1枚ほどの買い切りで、サブスクはありません。macOS 14以降。
Mac App Storeでbrew install M-Igashi/tap/baken
winget install M-Igashi.baken
yay -S baken-bin
cargo install baken
ffmpegは別途インストールしてください。ビルド済みバイナリはGitHub Releasesにあります。エンジンを組み込みたい場合は、crates.ioのbaken-coreをどうぞ。
対応形式はFLAC、AIFF、WAV、ALAC、MP3、AAC/M4Aです。HE-AACはゲインを変えると高域だけが元の音量に残るため、Headroomでは処理せずにそのまま残します。Sort、CDJ Safe、USB Export、Macアプリの「プレイリスト」には、rekordboxの「ファイル」→「コレクションをxml形式でエクスポート」で書き出したコレクションXMLが必要です。HeadroomのフォルダモードならXMLは要りません。フォーマットごとの処理方式、他ツールとの比較表、CDJ Safeの詳しい手順は英語ページにまとめています。
トリムを回し続けるのも、次の曲を探し回るのも、本当は仕込みで済ませておきたい作業です。Bake'n Deckはその両方をデッキの上からファイルの中へ移し、音そのものはマスタリングされたまま残します。